【WCS2018 世界大会ベスト4】 マンダコケコ積みリレー feat. 勝気ゴチルゼル
8月23日―25日にアメリカのナッシュビルで開催されたWCS2018に参加して参りました。
結果としてベスト4という成績を挙げることが出来たため、使用構築を執筆することとしました。
勝気ゴチルゼルが特徴的な積みリレー構築となっております。
このフォーマットでパーティを紹介されることにとても憧れていたので、嬉しいですね笑
構築経緯
私がいつも心がけている構築の順序は「終盤の明確な詰め筋の決定」⇒「詰めルートに繋がる序盤~中盤の崩し方の決定」です。「このポケモンを立てれば勝てる。その障壁になる相手ポケモンはこうやれば処理できる」という思考でゲームプランを立てやすく、構築段階でプランを明確にすることで、試合中のプレイングに間違いが無くなると考えているためです。
まず、終盤の詰め役に最適なポケモンと考えたのが、[りゅうのまい][はねやすめ]ボーマンダでした。現環境は周知の通りガオガエンとランドロスによるサイクル構築が蔓延しており、単体の撃ち合いでこの2体に圧倒的に強いことが大きな魅力だったためです。また、ボーマンダと組み合わせるポケモンとして、ガオガエンが攻撃範囲の上でも、威嚇+[ねこだまし]によるサポートの上でも非常に相性が良いのも採用を後押ししてくれました。そのため、ガエンマンダの2体を軸としてパーティ構築を進めることとしました。
このガエンマンダによる詰めはWCS優勝のPaul Ruiz選手や、JCS優勝のカ・エールさんの構築でも採用されており、強さが証明されています。
残りの4体を考える上で、ガエンマンダと噛み合いが良く、この2体が苦手とする相手を確実に処理できる手段として思いついたのが影踏みゴチルゼルによる展開でした。私自身がサンムーン時代に構築し、扱いに慣れていたこともあったため、ゴチルゼル+カプ・コケコ+[のろい]カビゴンの並びを参考にすることに。詰めの障壁になる相手を影踏みでロックして[てだすけ]+高火力で強引に落とし、積み技で詰ませる立ち回りがガエンマンダと好相性だったため、そのまま組み合わせることとしました。
[のろい]カビゴンと[りゅうのまい]ボーマンダの2枚の詰め筋があることで、状況に応じて「ボーマンダで荒らしてカビゴンで詰める」展開と「カビゴンで荒らしてボーマンダで詰める」展開を使い分けられるのが強みでした。
JCS時はこの形で使用し、スイスドロー6勝1敗の決勝トーナメント1落ちでベスト32という結果。決勝トーナメントを勝ち進めなかったのは残念なもののWCS Day1出場権を獲得し、構築の強さにも満足していました。なお、この際の構築は別途記事を執筆予定です。
WCSに向けて調整を始め、上記の形を元に考察していた中で気になる点が2つありました。
①序盤の崩しをゴチルゼル中心のトリックルーム展開に依存しており、BO3ルールに向かない。
②[とんぼがえり][ボルトチェンジ]を多用する上手いプレイヤーに対してゴチルゼルによる崩しが通用しない
まず①について、高速高火力による崩しを担っていたカプ・コケコの型の見直しによって解決を図りました。元々カプ・コケコに[ボルトチェンジ]を採用していたものの、この構築は積極的にサイクルを回さないため、必須技ではないと判断。ガオガエンのサポートにより積みやすく、終盤まで居座って盤面に圧力をかけられ続けることに魅力を感じて[めいそう]を代わりに採用しました。
続いて②についてですが、これはゴチルゼル構築の強みを揺るがす大きな課題でした・・・。特にガオガエン+ランドロスによる威嚇[とんぼがえり]サイクルに阻害されて序盤で処理したい相手を落としきれず、終盤のボーマンダによる詰めが成立しないことが多く頭を悩ませていました。
そこで、ふとJCSでキヌガワさん(@kinurincipall)さんが勝気ゴチルゼルを使っていたことを思い出し、動画を観て立ち回りを勉強することに。威嚇を食らったゴチルゼル自身の制圧力はもちろん、威嚇を牽制した状況下の高火力トリルアタッカーによる制圧力の高さに魅力を感じ、採用を検討し始めました。
高火力トリルアタッカーの役割を担うべくカビゴンをこだわりハチマキ型に変え、実際に勝気ゴチルゼルを組み込んでみると、制圧力の高さは影踏みにも劣らず、ガエンマンダの終盤の詰めとの噛み合いも良好でした。 加えて、ゴチルゼル・カビゴン共に単体で選出しても仕事をしやすくなった(これまでほぼセットで選出必須だった)ことで、BO3に求められる選出の幅広さを確保出来るようになりました。さらに、1戦目で勝気ゴチルゼルを出してガオガエンやランドロスの選出を牽制し、2戦目にカプ・コケコ中心の展開を通しやすくする、と言ったBO3を見越したプランニングまでもが可能になりました。以上のことから、WCS本番の環境とルールに非常にマッチしていると考え、勝気ゴチルゼルの採用に踏み切りました。
最後に、勝気ゴチルゼルや[めいそう]カプ・コケコ、[りゅうのまい]ボーマンダのように積み展開を行うポケモンがパーティに増えたことから、これらのポケモンを保護できるモロバレルを採用しました。元々入れていたカミツルギは選出機会が少なかった一方で、モロバレルはこの構築のあらゆる展開にサポートとして貢献できるため、6体目の補完として非常に好相性でした。
以上、最終的にこの6体で綺麗にまとまりました。
「ボーマンダを立てれば勝ち」という明確な詰め筋に向かって、全く異なる2プラン(ゴチルゼル+カビゴンによるトリックルーム下での制圧プランと[めいそう]カプ・コケコを立てるプラン)でアプローチ出来る点で、私の考えるBO3に欲しい要素を満足した構築に出来たと思います。
また、本構築はリザードンに対して非常に相性が良く(アイテム特性込みで炎半減3体・炎弱点0体、かつ複数手段でリザードンをワンキル可能)、世界大会にはリザードン構築が多いと予想していたこともあり、環境面でも自信を持って持ち込むことが出来ました。実際に世界大会ではリザードン構築と計6回マッチングし、重要な試合でも選出段階から優位に立てたのは非常に大きかったです。
余談ですが、Day1で勝気ゴチルゼルがバレたことを逆手に取ってDay2で影踏みゴチルゼルを使うプランも考えていました。結果として勝気でなければ勝てなかった試合も多く、Day2でも勝気を続投して大正解でした。
個別解説
【サイコキネシス/トリックルーム/てだすけ/まもる @エスパーZ】
175-x-117-143-148-86 (ひかえめ H236 B12 C116 D140 S4)
C: H186-D155以下のウツロイドを[マキシマムサイブレイカー]で確定1発
C: H216-D132以下のモロバレルを[マキシマムサイブレイカー]で確定1発
B: A183ガオガエンのA-1[はたきおとす]高乱数2発耐え(82%)
D: C147カプ・コケコのEF下[スパーキングギガボルト]確定耐え
勝気を生かすために、最低限の行動保障が出来るだけの耐久を確保し、残りを大きく火力に割く配分としました。また、Sを下げていないのは主にガオガエン意識で、例えばガオガエン+ゲンガーの並びに後手を取らない(ゴチルゼルに集中されてもガオガエンより先に攻撃することでゲンガーと11交換出来るため、強気に動かせる)ことが重要と考えたためです。
@エスパーZ:トリックルーム起動役自身が瞬間火力を持って隙を見せないことが強いと考えているため。[ちょうはつ][アンコール]の対策も兼ねられる他、持つだけで[はたきおとす]に耐性が持てる便利なアイテム。
サイコキネシス:主力技。
トリックルーム:序盤に低速アタッカーで展開したい際に使うS操作。
てだすけ:高速と低速の両方の高火力アタッカーが揃っている本構築で生きやすいサポート。勝気が発動しない場合やトリックルームが切れた後等でも常にゴチルゼル+何かの並びで圧力をかけ続けられるため、非常に有用な技でした。
まもる:勝気を生かす上で、場持ちが必要なため。
その他、候補に挙がった技・・・
めざめるパワー(地面):特にガオガエンやメタグロスへの打点として欲しかった技。[サイコキネシス]が通らない2体を並べられてゴチルゼルが腐る事態を防ぐために最後まで採用を検討していました。最終的にこれらの相手には[てだすけ]と併せて味方の攻撃を通すことで対処可能と判断し、不採用に。
【すてみタックル/10まんばりき/ばかぢから/じばく @こだわりハチマキ】
245-178-108-x-130-31 (ゆうかん H76 A252 B180)
A: H165-B110霊獣ランドロスを[すてみタックル]で確定1発
A: H167-B171ギルガルドを[てだすけ][10まんばりき]で確定1発
A: H192-B170以下のメガバンギラスをA-1[ばかぢから]で確定1発
B: A216霊獣ランドロスの[ライジングランドオーバー]確定耐え
B: A194メガガルーラの「けたぐり」確定耐え
D: C182カプ・テテフのPF下[マキシマムサイブレイカー]確定耐え
トリックルーム下の制圧を担うアタッカーの役割を全うするべくAに特化し、広範囲の技を一発は耐えられるように耐久面は配分。Sラインは迷ったものの、最悪同速だとしてもトリックルーム下で相手のカビゴンに先制できるのは大きいと考え、最遅としました。
@こだわりハチマキ:ゴチルゼルで対応出来ない相手を一撃で処理することが役割となるため。影踏みゴチルゼルと組んだ時は回復木の実で使っていましたが、現在の形ではカビゴンよりゴチルゼルがトリックルーム展開下の主役となるためより単体で動きやすい型としました。
すてみタックル:主力技。少しでも多く削りたいので[おんがえし]よりこちら。一貫性が高く、ほぼ全てのポケモンを[てだすけ]込みで落とせる最強技でした。
10まんばりき:ゲンガー、メタグロス、ギルガルド等への打点として。
ばかぢから:バンギラス、カビゴン等への打点として。また、ガオガエンを不意の一撃でワンキル出来るのが強力。
じばく:初手に出してのイージーウィン、および中盤以降不利な状況からの逆転を狙う技。[はらだいこ]警戒で削りを入れてきた相手に通りやすく、意外にも使いどころは多かったです。
【フレアドライブ/はたきおとす/けたぐり/ねこだまし @とつげきチョッキ】
201-183-110-x-112-58 (ゆうかん H244 A252 D12)
A: H145-B105カプ・コケコを[ねこだまし]+[フレアドライブ]で確定1発
H155-B170メガメタグロスを[ねこだまし]+[フレアドライブ]で最高乱数切り1発
H202-B111ガオガエンを[けたぐり]で確定2発
H196-B170以下のメガバンギラスを[けたぐり]で確定1発
D: C200カプ・テテフの「ぜんりょくむそうげきれつけん」([きあいだま]ベース)最高乱数切り耐え
S: 最遅(最遅バンギラス-1)
[とんぼがえり]を多用してサイクルを回す一般的なガオガエンと違い、トリックルーム下でのアタッカーとしての役割を持たせているため、HA配分とし、可能な限り攻撃範囲を広げた型としています。トリックルームを貼った直後にバンギラスに[けたぐり]を撃ちたい場面が多く、安心して行動できるようにSは最遅に設定しています。
@とつげきチョッキ:Aを上げた分耐久に振れなかったため、特殊耐久を補って単体性能を確保するべく採用。
フレアドライブ:主力技。Aに特化しているために非常に高火力が期待できます。
はたきおとす:BO3において相手のアイテムを割るアドバンテージが非常に大きいと考えて採用。[けたぐり]と併せて1体で[はらだいこ]カビゴンを見れるのが強力。
けたぐり:バンギラス・ガオガエン・ツンデツンデ・カビゴン等、厄介な相手を処理できる必須技。
ねこだまし:トリックルームや積みサポートをこなせる便利な技。
その他、候補に挙がった技・・・
とんぼがえり:大多数のパーティではガオガエンをパーティの潤滑油として使うため必須とされている技。本構築では交代を多用しないため、攻撃範囲を狭めるほどのメリットを無いと判断して不採用としました。ただ、準決勝のような[ほろびのうた]ゲンガー相手にはとても欲しかったです・・・笑
DDラリアット:クレセリアやゲンガーに対する高打点として検討。[はたきおとす]が無いことが相手にバレると積極的に[はらだいこ]等のギミックを狙われるリスクがあるため不採用としました。
カプ・コケコ
【10まんボルト/マジカルシャイン/めいそう/まもる @デンキZ】
147-x-105-146-95-200 (おくびょう H12 C244 S252)
C: H227-D150クレセリアをC+1EF下[スパーキングギガボルト]で高乱数1発(75%)
D: C172霊獣ランドロスの[だいちのちから]をD+1時確定耐え
高速高火力アタッカーとして、切る必要が無いと判断してCSにほぼ極振りしました。
@デンキZ:[めいそう]を積んだ後に確実に1体を落とせる超火力が魅力だったため。また、序盤のトリックルーム展開のサポートとして選出する際にも瞬間火力が欲しいため。2Z選出時は基本的にカプ・コケコのZを優先します。
10まんボルト:主力技。
マジカルシャイン:パーティに不足していた全体技およびジャラランガへの打点が欲しかったため採用。積んだ後の削り性能が高い点も高評価です。
めいそう:1回積めるだけで自身の単体性能を飛躍的に上げる技。2戦目以降に選出を誘導した中ではこの技を決めやすく、それだけでゲームエンドまで持っていける試合も多々ありました。
まもる:積みアタッカーとして大事に扱わねばならない場面が多々あるため。
その他、候補に挙がった技・・・
ボルトチェンジ:相手に負荷をかけつつ有利対面を維持する技として、JCS時点で採用していた技。このパーティでは周りのポケモンがサイクル戦に適していないと判断し、カプ・コケコ自身の対面性能を高める[めいそう]を優先としました。
めざめるパワー(氷):ランドロスへの打点として検討した技。ゴチルゼルやボーマンダで対応でき、パーティに全体技が少ないため[マジカルシャイン]を優先としました。
【やつあたり/りゅうのまい/はねやすめ/まもる @ボーマンダナイト】
182-182-151-x-138-164 ※メガシンカ後 (いじっぱり H92 A4 B4 D220 S188)
D: C156ルンパッパの[れいとうビーム]最高乱数切り耐え
C200カプ・テテフの[ムーンフォース]高乱数耐え(87.5%)
C147カプ・コケコのEF下[スパーキングギガボルト]高乱数耐え(87.5%)
S: 最速カプ・テテフ+3
+1時にすいすい準速ルンパッパ&メガラグラージ抜き
まず、構築上ボーマンダにカプ・テテフの処理を任せねばならないため、それを意識したS設定に。その上で詰め役としての役割を全うできるよう、主要な攻撃を耐えるよう特殊耐久に大きく割いた配分としました。
やつあたり:主力技。世界大会の晴れ舞台なので[おんがえし]にしようと思ったものの……。[へんしん]ドーブルを考慮して非情に徹しました。
りゅうのまい:単体性能を大きく向上させる技。中盤以降に積むことで詰めの障害になる相手を自分で処理出来るようになります。
はねやすめ:詰めに必要な技。序盤の削りにボーマンダを参加させることもあり、その際この技のお陰で終盤の詰めにも再利用出来るのが非常に強かったです。
まもる:パーティの詰め役として、大事に扱わねばならないため。
その他、候補に挙がった技・・・
すてみタックル:[てだすけ]と併せてちょうどH振りのみのガオガエンを落とせる等、火力が魅力的なことからJCS時点では採用していた技。カビゴンの型変更により終盤の詰め役としてのボーマンダの重要性が増すことから、反動を嫌って不採用としました。
【エナジーボール/キノコのほうし/いかりのこな/まもる @オッカのみ】
210-x-114-105-132-35 (おだやか H164 B188 D156)
B: A197霊獣ランドロスの[ライジングランドオーバー]確定耐え
D: C211メガリザードンの晴れ[オーバーヒート]確定耐え
B+D: C222メガゲンガーの「ヘドロばくだん」+A165ガオガエンの「フレアドライブ」高乱数耐え
S: 最遅ピッピ-1
物理耐久は威嚇で確保出来ると判断し、特殊寄りの配分。トリックルーム下で動かす場面が多いこととゲンガー+ガオガエンからの集中攻撃を耐えるために耐久を切れなかったことからSは遅めに設定。ただ、相手のカビゴンとのS関係をはっきりさせたかったため、最遅にはしませんでした。
@オッカのみ:ガオガエンが猛威を振るう現環境ではほぼ毎試合炎タイプと当たるため、最も腐りにくいアイテムとして採用。リザードン入りにも出しやすくなったことで、世界大会でもリザードン+サイドンといったパーティ相手に大活躍出来ました。サーナイトやカプ・テテフを見てウタンのみも検討したものの、同居するガオガエン相手に安定するメリットが大きく、こちらに落ち着きました。
エナジーボール:主にバンギラスへの打点が必要だったため、攻撃技には草技を採用。無効化されず、安定して広範囲を削れることが偉かったです。
キノコのほうし:相手が浮いている場合等、催眠により得られるアドバンテージが大きすぎるため。
いかりのこな:ゴチルゼルやカプ・コケコ、ボーマンダ等の展開に必要なポケモンを保護するために必要。
まもる:味方を適切に守るためには自身の場持ちが必要だと考え採用。特に一撃で処理されかねないカプ・テテフやサーナイト相手に必須の技でした。
その他、候補に挙がった技・・・
ヘドロばくだん:カプ系への高打点として検討したものの、撃ちたい相手への打点はパーティ全体で足りていると判断し不採用。キリキザンを削る手段が無くなるのも気になるところ。
イカサマ:[はらだいこ]カビゴンやメタグロス、ギルガルド、カミツルギへの打点として検討した技。攻撃技をこの技のみとした時に打点が安定しないことが気になり不採用。上記の相手への打点は気になるところでしたが、立ち回りを詰めればカバー可能と判断しました。
選出・立ち回り
基本選出
1ゲーム目
相手にガオガエン等[ねこだまし]持ちの選出が見える際は、序盤の交代前提でガオガエンを後発に置くことも。序盤はトリックルーム下で勝気ゴチルゼルとカビゴンの並びで荒らし、中盤以降にボーマンダを立てて詰ませる形を狙います。初見ではほぼ威嚇ポケモンを投げられる(投げられない場合は鉢巻カビゴンで制圧できる)ため、ゴチルゼルの勝気発動からイージーウィンが可能。1戦目で勝気を強烈に意識させることで、2戦目の選出誘導にも繋げます。
2ゲーム目
or
[めいそう]からカプ・コケコを立てて上からの圧力を盾にボーマンダに繋げる、積みリレー展開を目指す選出。1戦目で勝気ゴチルゼルを見た相手はランドロスを選出しない・ガオガエンを先発に置かない等、選出を歪めて対応してきます。そのため、カプ・コケコやボーマンダが動きやすく、上からの制圧が効きやすくなります。
3ゲーム目
(一例) or
基本的には1,2戦目を踏まえて通りの良かったポケモンを出します。一例として上記の選出では、カプ・コケコ前で[めいそう]を恐れて動いてきた相手を[てだすけ][スパーキングギガボルト]で落としてアドバンテージを取ることを狙います。
vsパーティ・メガシンカ別
vsメガリザードン構築
相性◎ 基本選出通り
最もプランが通りやすい相手。
vsメガボーマンダ構築
相性◎ 基本選出通り
基本的にはプランを通しやすいが、ギルガルドがいる場合はカビゴンやガオガエンをうまく合わせる等、立ち回りに注意が必要。
vsメガゲンガー構築
相性〇
[みがわり]を持たないゲンガーに対しては上記選出で有利。[みがわり]ゲンガーに対しては不利だが、先発カビゴンやガオガエンで圧力をかけつつトリックルーム展開で対応する(準決勝の選出)。ジャラランガ入りに対してはボーマンダの代わりにカプ・コケコを選出する。
相性△ 基本選出通り
[てだすけ][10まんばりき]等の初見殺しで早々にメタグロスやバンギラスを処理し、ボーマンダを立てやすい盤面を作る。2戦目以降は威嚇持ちを牽制できているため、基本的にはカプ・コケコを立てる展開を狙う。安定択だけでは有利を取りづらく、どこかでリスキーな読みを仕掛けることも多い。
vsメガガルーラ構築
相性〇 基本選出通り
ボーマンダで有利を取りやすい一方、トリックルーム展開を[ねこだまし]で凌がれやすいため、2,3戦目でカプ・コケコ展開を重視して選出する。
vsメガサーナイト構築
相性△
[ハイパーボイス]を受けられないため、ピンポイントで[てだすけ]+高火力をサーナイトに当てる等、リスキーな読みが求められる。いかに横のモロバレル等を迅速に処理し、サーナイトを縛れる状況を作れるかどうか。
vs雨パーティ
相性〇 or
初手の相手の行動に応じて、トリックルーム下の制圧あるいはボーマンダによる詰めのどちらかを通す。
vsトリックルームパーティ
相性◎
低速での撃ち合いに強いポケモンを並べ、高火力で圧力をかけて制圧する。
戦績
Day1 7-2 [14-5]
R1 Alessio Astrea [IT] 〇〇
R2 Alexandre Lissardy [FR] 〇〇
R3 Daichi Kumabe [JP] 〇〇
R4 Nils Dunlop [SE] 〇×〇
R5 Joji Kaieda [JP] 〇〇
R6 Ryosuke Kondo [JP] ××
R7 Riccardo Appamea [IT] 〇〇
R8 Koji Morimoto [JP] ××
R9 Francisco Trigo [CL] 〇〇
Day2 Swiss 5-2 [11-6]
R1 Jeremy Rodrigues [US] 〇〇
R2 Nils Dunlop [SE] 〇××
R3 Renzo Navaro [PE] 〇〇
R4 Javier Valdes [CL] 〇〇
R5 Matthias Suchodolski [DE] 〇×〇
R6 Alessio Yuri Boschetto [IT] ×〇〇
R7 Emilio Forbes [US] ××
Day2 Topcut 2-1 [4-2]
Top16 Melvin Keh [SG] 〇〇
Top8 Federico Turano [AR] 〇〇
Semi-Final Emilio Forbes [US] ××
QRレンタルチーム
VGC2019も始まり、VGC2018をやる機会もほぼ無くなってしまいましたが・・・泣
良かったらダブルレート等で使ってみてください!
謝辞
・全国大会後から構築相談に乗ってもらい、ナッシュビルでは部屋に泊めて頂いたSNOW(@BlueYossi)さん
・個体準備および構築相談で多大な協力を頂いたsee(@see_miruo)さん、しーちきん(@seachicken08)さん、ひいあ(@Hianmain)さん
・勝気ゴチルゼルのアイデアを頂いたキヌガワ(@kinurincipall)さん
・調整試合にご協力頂いた皆さん
・旅先でお世話になった皆さん
・励ましや祝福のコメントを頂いた皆さん
本当にありがとうございました!!!
おわりに
世界大会は私が2009年ごろからずっと夢に見ていた舞台であり、その舞台で結果を残すことを目標に10年近く公式ルールに取り組んできました。2年前のサンフランシスコ大会で初参加を果たしたものの、構築の詰めが間に合わずDay1落ちという非常に悔いの残る結果に。今回、2回目の挑戦では準備面で悔いを残すことだけは無いように、入念に調整に取り組むことで納得いくまで構築を詰めることが出来ました。結果としてベスト4という成績を残せたことで、私がずっと貫いてきたプレイスタイルが間違ってないと証明でき、嬉しい限りです。
反面、今になって準決勝を含めて試合を振り返るとプレイングの反省点も多く、決勝に進出するプレイヤーとの差を感じてしまいました。まだまだ成長する余地も残っていると前向きに捉えて、1年後には世界チャンピオンに相応しいプレイヤーになれるよう日々精進ですね。社会人生活を送る中で厳しさもありますが、理解ある周りの環境には恵まれていると感じるので、今後も頑張ります。
今回は構築紹介で手一杯になってしまいましたが、会場の雰囲気や海外勢との交流など、伝えたい世界大会の魅力は山ほどあるのでまた別の記事で紹介しようと思います!
来年は得意の伝説戦。次こそ世界チャンピオンに!