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【INC February(ムーンルール)使用構築】ツルギゼルネ 疑似積みリレー

とても今更ですが剣盾発売前に7世代の構築供養をと思い、INC February(ムーンルール)で使用したパーティを書き残しておきます。

 

強い要素を余すところなく入れることができ、当時のWCSレートでも最終2位にはなれたのですが、INC本番ではレート1827(国内32位)で同率落ちの結果に終わってしまいました…。

 

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構築経緯

●構築のスタート:ゼルネアス+カミツルギの2枚エースf:id:colonel-vete:20180914232212p:plainf:id:colonel-vete:20181203001248p:plain

構築を組む際の考え方は先日書いた世界大会使用パーティと同様で、「ゼルネアスf:id:colonel-vete:20180914232212p:plain+メインアタッカー2体」の構成を意識しています。

INCは世界大会と違ってBO1のため、ゼルネアス構築にとっては初見殺しで破壊されるリスクは上がってしまいます。しかし、ゼルネアスの他にも詰め性能の高いアタッカーが控えていれば、相手がゼルネアスの処理に気を取られてる間に他のアタッカーを立てて逆転を狙うことが可能なため、そのリスクも抑えられます。そのため、ゼルネアスと組み合わせるもう1匹のエースを探すことが構築のスタートでした。

もう1匹を探す上で、伝説枠を先に決めてしまうと一般枠でその補完を取ることばかりを意識してパワーが落ちがちなので、先に非伝説でエースに据えるポケモンを探すことに。そこで見つかったのが「みがわり」カミツルギf:id:colonel-vete:20181203001248p:plainでした。

カミツルギが一度「みがわり」を貼れれば、以降は相手から縛られることなく場に居座り続け、Z技とビーストブーストの脅威を与え続けられます。そして、盤面に居座ったカミツルギの圧力を盾に後発のゼルネアスが積むという、疑似的な積みリレー展開が可能になります。カミツルギ自身の圧力が高く、また環境に「みがわり」カミツルギが少ないこともあって、貼って有利に進められる試合は非常に多かったです。

 

(参考:INC Feb PGLデータ 「みがわり」採用率はトップ10圏外)

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●単体性能の高いサポート役、ドクロッグf:id:colonel-vete:20191103025730p:plain

次に、一方的にこちらの展開を通すために、「ねこだまし」等で味方をサポートしつつも環境に多いパーティに対するメタとして1匹で機能できるポケモンの採用を考えました。当時環境に多かったパーティの代表がf:id:colonel-vete:20180914235739p:plainf:id:colonel-vete:20180914232212p:plainf:id:colonel-vete:20191028014235p:plainf:id:colonel-vete:20181203001248p:plainf:id:colonel-vete:20180902183645p:plainf:id:colonel-vete:20180902204358p:plainといった6体をベースに0~2体変更が加えられたパーティで、カイオーガとゼルネアス両方へのメタとしてドクロッグf:id:colonel-vete:20191103025730p:plainが強力な環境でもありました。この構築でも特別なことは無くドクロッグを採用しているのですが、当時主流だった突撃チョッキ型ではなく気合の襷型にしています。実際にドクロッグが仕事をする場面はカイオーガやゼルネアスの横にトルネロスモロバレルカミツルギ(「サイコカッター」持ちの場合)がいることが多く、これらを前にしても突っ張れることが重要だと考えたためです。

 

●火力を以ってエースを補佐するスカーフカイオーガf:id:colonel-vete:20180914235739p:plain

ここまでのf:id:colonel-vete:20191103025730p:plainf:id:colonel-vete:20180914232212p:plainf:id:colonel-vete:20181203001248p:plainと噛み合いよく基本選出を構成できるもう1体の伝説として、スカーフカイオーガf:id:colonel-vete:20180914235739p:plainを採用しています。ここまででエースに決めた2体は中速で固まっていて上から縛られると動きづらいので、厄介な相手を逆に縛り返すことで味方を通しやすくすることが出来ます。このパーティでは最終的にカイオーガを通すことを目的にするわけではなく、あくまでも補佐的な立場なので、いきなり致命傷を負いかねない相手にも先発で出したり削られるのを承知の上で交代出ししたりと、雑に扱えるところが他構築と少し違うポイントになっています。

 

●追い風相手には追い風で張り合えるファイアローf:id:colonel-vete:20180914232225p:plain

ここまでの4体でパワーの高い基本選出がまとまったものの、S操作が無いため、「おいかぜ」等で一方的に殴られる展開になると切り返しづらくなっています。そのような相手への対抗手段として、自分も追い風プランを持っておくことし、この起動役を5枠目に探しました。環境に存在する「おいかぜ」起動役はトルネロスf:id:colonel-vete:20191028014235p:plainクロバットf:id:colonel-vete:20190825082252p:plainのどちらかが多いので、彼らを前にしても仕事が出来るのが最低限の条件になります。さらに、上手いプレイヤーはこれらの起動役を後発に置くなどタイミングをずらしてくることも考えられるので、こちらも後発に置いて対抗できるポケモンが欲しくなります。この条件で探した時に理想的なポケモンファイアローf:id:colonel-vete:20180914232225p:plainでした。後発から出しても先制「おいかぜ」で張り合えるだけでなく、強力な先制技を1発撃ち込めることで相手の追い風アタッカーを縛って優位に立ちやすいためです。また、このルールで非常に厄介なゼルネアスに対しても、事前に削っておきさえすれば後からでもファイアローで止めに行ける点も強力でした。

 

●補完はルナアーラやトリパを意識したガオガエンf:id:colonel-vete:20180902183645p:plain

最後はいつもの補完ポケモンガオガエンを採用しています。

ここまでではルナアーラに強いポケモンがおらず、また中速以上に固まっているので、特にルナアーラ入りを中心としたトリパを苦手にしていました。このような相手に対してタイプ相性上でも、威嚇の耐久補助の上でも、「ねこだまし」による遅延ができる意味でもガオガエンが上手く嵌りました。ドクロッグと併せて「ねこだまし」持ちが2枚になるので、これを上手く使うことでS操作は凌ぎやすくなります。

 

 ●完成

以上で6体が綺麗にまとまりました。f:id:colonel-vete:20180914235739p:plainf:id:colonel-vete:20180914232212p:plainf:id:colonel-vete:20180914232225p:plainf:id:colonel-vete:20181203001248p:plainf:id:colonel-vete:20191103025730p:plainf:id:colonel-vete:20180902183645p:plain

どのように選出しても高いパワーを押し付けることが出来、またほぼ全てのメジャーな構築ジャンルには有利を取れる構築に仕上がったかと思います。(f:id:colonel-vete:20190825093228p:plainf:id:colonel-vete:20180914232212p:plainf:id:colonel-vete:20180902221320p:plainの並びが多少厳しめ)

ただ1点だけ不満が残ったのが「環境最メジャーな構築とあまり変わらない並びに落ち着いてしまった」ことで、これが勝ちきれない要因だったと考えています。INCではどのプレイヤーもいかに環境最メジャー構築を倒すかを考えて臨みますし、特にBO1では初見殺しのZ技等でそれが実現しやすくもなっています。この構築はメジャーな構築とは違う動かし方を意識しているとはいえメタ対象から完全に外れることは出来ませんでした。 今までのルールで自分の構築は結果的に他プレイヤーのメタ対象から外れていることが多くて苦労していなかったのですが、今後、特にBO1で行われる大会では気を使わないといけないと反省しました。

 

 

個別解説

f:id:colonel-vete:20190207004057g:plainゼルネアス

ムーンフォースマジカルシャイン/ジオコントロール/まもる @パワフルハーブ】

 217-x-116-199-132-124 (ひかえめ H124 B4 C236 D108 S36)

C: +2「ムーンフォース」+「ねこだまし」で200-156ガオガエンを確定

D: カイオーガのC222「しおふき」を余裕を持って耐える(160-190)

初手にカイオーガと対面した際に「しおふき」を受けながらでも強引に積み、その後「ねこだまし」や「フェイント」といった先制技で倒されないことを意識してDに厚めの配分。また、ガエンゼルネ選出で初手ミラーでお互い積み合った際の動きを意識して、一方的に相手のガオガエンを倒せるC特化の配分としました(立ち回り方の案をくれたさしすさん、ありがとうございます!)。

技は特に語ることなしの結論。

 

 

f:id:colonel-vete:20190207004121g:plainカイオーガ

【しおふき/ねっとう/かみなり/れいとうビーム @こだわりスカーフ

 175-x-111-222-160-142 (ひかえめ B4 C252 S252)

 雑に繰り出して出来るだけ広範囲の相手を縛ることを意識した配分と技構成。

その役割の中で命中不安定な「こんげんのはどう」が必要になることはほぼ無く、晴れ下のグラードンカミツルギモロバレル等に一貫する「れいとうビーム」が優先でした。

 

 

f:id:colonel-vete:20190207004147g:plainカミツルギ

リーフブレードせいなるつるぎ/みがわり/みきり @クサZ】

143-201-151-x-83-168 (ようき H68 D252 S188)

D:C188以下のゼルネアスの+1「ムーンフォース」を確定耐え

D:C222カイオーガの「しおふき」を高乱数耐え(68.7%)

ゼルネアス等の上を取れる最低限のSを確保し、後は可能な限りの耐久を確保した配分。カイオーガ対面の耐久は正直不安なので、出来るだけHP満タンの「しおふき」は食らわないように立ち回るよう心がけます。

「みがわり」型を生かすために、グラードンをはじめ多くの相手を一撃で倒せるクサZを持たせました。

 

f:id:colonel-vete:20190207004204g:plainファイアロー

ブレイブバードフレアドライブ/おいかぜ/ファストガード @ヒコウZ】

154-146-91-x-84-178 (いじっぱり H4 A252 S252)

S: カミツルギ+1

火力と素早さ共に最大限必要なのでAS極振り。S補正をかけていないのでトルネロスに上から「ちょうはつ」を食らってしまう懸念はあるものの、ヒコウZを持たせることでケア可能です。

追い風下で高火力ポケモンを通すプランは「ねこだまし」+交代等で受けられるのが厄介なのですが、それを許さない点で「ファストガード」も非常にかみ合っていました。

 

 

f:id:colonel-vete:20190207004220g:plainドクロッグ

【けたぐり/どくづき/ねこだまし/ちょうはつ @きあいのタスキ

160-157-85-x-85-150 (ようき H12 A244 S252)

ドクロッグミラーやドーブルに対して先制で行動できるメリットが大きいため、火力よりもSに補正をかけました。「ちょうはつ」はこれが無ければモロバレルトリックルームが非常に厄介になるので必須です。

 

f:id:colonel-vete:20180901141008g:plainガオガエン

フレアドライブ/バークアウト/とんぼがえり/ねこだまし @とつげきチョッキ

202-136-111-90-144-91 (しんちょう H252 A4 B4 D164 S84)

ガエンゼルネミラーで相手のガオガエンの上を取りたいため可能な限りSを確保した上で、役割対象のルナアーラ系のパーティを想定してD重視の配分としました。

ルナアーラ系のパーティ全般、特にルナゼルネに対して非常に刺さり、味方のアタッカーを通しやすくなる「バークアウト」を採用しています。 

 

 

選出

 簡単に一例を記載します。

 

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基本選出。S操作が無さそうな相手に対して。

 

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vsトルネオーガゼルネ

 

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vsグラゼルネ

 

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vsルナゼルネ

 

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vsルナオーガ

 

 

 

以上、もうすぐ剣盾が発売するので、8世代も楽しくやっていきたいなとおもいます。