ブログ上ではご無沙汰しています。
ネット本戦もレギュFも終わり、世間はレギュG一色となった今日この頃。僕は先日の本戦で落ちてしまい今年もWCS出場とはなりませんでした(泣)
ただ今年は自分の中でもかなり納得行く構築を使って予選の時期に結果を出せたこともあり、何も残さないのも惜しいと思ったのでメモ書き程度に記録を残しておきます。
(第2回予選頃の環境を念頭に置いているので今から見ると違和感感じるかもしれませんがご容赦ください)
最初に、ずっとこの構築を一緒に考えてくれたほまれ(@Nadeshiko_2024)さんには最大限の感謝!
構築経緯
~第1回予選
⚫︎パワフルハーブを持ったブリジュラスの圧力に魅力を感じて構築開始。エレクトロビームという技は間違いなく強いが、主流なチョッキ型では味方が盤面を整える必要があり展開が遅い(相手にテンポ取られて不利を背負いがち)ので自由に動けるハーブの方が強い、というのが初見時点からの感覚だった。追い風と合わせてテンポを取るのが最も強い動きなのでトルネブリの2体を軸とする。
●トルネが雨を降らせる都合上水ウーラは間違いなく展開に噛み合うので入れる。ハバタクカミ等に張り合うことが求められるので行動保障がある型が良い。当初は襷で使っていたがトルネに襷を回す都合でチョッキを試したところ非常に使用感良く、チョッキウーラを中心にプランを組むことも多くなった。また、ここまでの3匹への補完として上から殴れるフェアリー打点が欲しいため、ハバタクカミを入れて基本選出4体が決まる。
●ここまでの4体ではモロバレル入りや鋼系のポケモンが厳しいと感じていたので、これに強い炎オーガポンを採用。基本選出ではライコ入りのスタンに対して厳しめだったが、地団太を入れることでライコにもある程度対抗できると感じた(有利とは言えない)。
●6枠目でトリルに対抗したかったがモロバレルが展開に噛み合わず苦慮。壁貼って対抗するプランを取れるオーロンゲを登録直前の思いつきで入れたが、壁を貼っても火力でゴリ押される(こちらの展開が遅いので手助け+攻撃等のフルパワーの攻撃を撃たせる隙が生じる)のでこの枠は不正解だった。
●1回目予選は以上6体で臨み、レート1759の110位で予選突破。正直この時点での完成度は高くないが、パワフルハーブ持ちブリジュラスが初見の相手には刺さりまくっており、ゴリ押しビーム連打だけで勝てる試合が多かった。また、厳しい相手にもチョッキウーラが対面で打ち勝って解決してくれることが多く、単体性能の高さに救われていた。ネット予選(特に1回目のような環境の固まっていない時期)では構築の穴を無くすことよりも明確な強み(初見殺しでアド取れる要素など)を入れることが大事と考えているので、結果的にはネット予選向きの構築になっていたかと思う。
第1回予選後〜第2回予選、てるチャレまで
●1回目で予選は抜けたものの構築の完成度に不満が残ったので、2回目予選を目標に置いて構築を考え直してみることにした。
●1回目予選時点から追い風+雨で制圧力の高いトルネブリウーラの3体が強すぎたため続投決定。ただし筋金入りブリジュラスでは化身ランドロス、両ウーラオス、ハバタクカミ(眼鏡フェアリーテラ)等にワンパンされうる。追い風ミラーだと上から縛られるしそうでなくても行動制限されるのは嫌なので、行動保障のある頑丈ブリジュラスを使うことにした。
●この3体に加えて基本選出を構成するポケモンとして、元々ハバタクカミが眼鏡で入っていた。終盤のスイーパーを任せるので、早くて高火力全体技を撃てること、タイプ的な補完として悪やドラゴンに強めなフェアリーなのが偉い。しかし主に追い風後にカミウーラが並んだ時、先制技や早めのポケモンに打ち負けることもそれなりにあったので、守れてS操作しつつウーラを通したいと思う部分があった。また、眼鏡では先発で出して強い盤面があまり無い。増加したライコに不利なトルネを出さない選出パターンを模索していたため、そこでライコ入り等に先発で出せる面も評価してSブーストカミを採用することにした。
●環境にライコが増えることもあり、主にライコに対してブリやウーラよりも優先して出せる地面打点のアタッカーが欲しい(1回目時点では炎ガポンの地団太で見ていたがもっと安定した手段が欲しい)。単体の打点としてライコに強くてもサイクルで解決されがちなので、受け出し性能が高く全体技等で負荷をかけられるポケモンが望ましい。化身ランドは受け出ししづらく簡単に縛られがちなこと、瞑想ライコに押し負けうることから合わず。経験的に追い風と組む鉢巻霊獣ランドがこの要件を満たせる強いポケモンなので入れてみると噛み合い良かったため採用。
●ここまでで苦手としてあと1枠で解決したかったのはガチグマ系のトリル。またフェアリーの通りがいいので眼鏡カミに上取られると切り返しづらく、これも何とかしたい。この構築の展開上の要件としても、霊獣ランドの地震で負荷をかけていく動きが強いので地震が効かずに展開に噛み合うやつが欲しい。いろんなポケモンを試した(アーマーガアやミミズズ、その他飛行テラスで無理やり浮いたり)末にドータクンがぴったりはまる。ガチグマより遅い鋼浮遊で苦手な相手への要件が完璧に埋まる上、上を取られるとキツい構築にトリルで切り返せる。
●以上、完成した6体で第2回予選に臨みレート1774で12位。どのポケモンも想定通りの働きで高い勝率を残してくれたので完成度高く仕上がったと実感。ただ環境の変化もあり楽に勝てる試合は減ってきたので、4月の本戦までに賞味期限切れと見込んでてるチャレ#18 (CTS BO3)で使い収めることを決める。細かい所だけ調整の上てるチャレに臨み、優勝というこの上無い結果を残すことが出来た。
個別の考察
ブリジュラス
166-x-150-194-85-137
控え目 4-0-0-252-0-252
上述の通り行動保障が欲しいので頑丈。 耐久に振る必要性が薄く、火力も速さも必要なので控え目CS。準速にすることで最速カミ・パオをこご風入れて抜ける。 初動のビームで倒し切れると一気にテンポ取れるので基本的には電気テラスが強い。電気テラスビームで倒せるポケモンが減ったと感じたので第2回予選ではステラテラスで試したが、最終的には電気テラスに戻った。ステラは流星でチョッキライコを倒したり寿司に負荷をかけたり、ラスカでH高めのカミをワンパン狙い。ただあまりこの対面でステラを切りたくなったことは多くない一方で、少なからず電気テラスでワンパン狙いたい場面や格闘等倍にしたい場面(パオに2発で落とされない等)があった。
トルネロス
156-x-96-194-101-156
控え目 12-0-44-252-4-196
トルネロスが追い風だけでなく雨乞い等もう1回行動したい場面が多く、いくら耐久に振っても耐えたい攻撃を全ては耐えられないので襷。 木枯らしで出来るだけ負荷をかけたく、最低限追い風下でSブーストカミ抜けていればいいのでは?と感じたため第2回予選以降は控え目で使っていたが、火力の高さが偉い場面が多い。しかし一方で最速のランドやオーガポン、準速合体寿司に抜かれるデメリットも目立つので第3回予選頃からの環境では臆病の方が強かったと思う。 追い風ミラーやこご風カミ等に対して優位に立てる他、トリルに対して味方に打って切り返せる点で怖い顔が非常に強い。守るを試したこともあったが、怖い顔のメリットの方が大きすぎるため確定。
水ウーラオス
181-198-121-x-106-120
意地っ張り 44-236-4-0-204-20
水ウーラオスが場持ちして行動回数稼げることで対面性能が大きく上がるためチョッキ。ライコゴリラバレル等の面子に対して相性が逆転する草テラス。 Sを半端に振っても何も抜けないので、チョッキと合わせて特殊相手の撃ち合いに強くなるADベース(目安としてのカミの眼鏡ムンフォ耐え意識)。格闘技はインファイトで使っていた時期も長いが、チョッキの耐久力を生かせるドレインパンチに変えたところ、居座って圧力をかけ続けられる点がとても強力だった。また、草系やカイリューに打てるスピナーも非常に強い。
ハバタクカミ
151-x-101-156-156-189
臆病 164-0-204-4-4-132
後発に置いたときの高速アタッカー系との撃ち合いにも、先発での盤面作りにも耐久が最優先だと考えたのでHBベース。パオジアンのつららやウーラオスの水流連打や暗黒強打を耐えるライン。当初はSは低かったがSブーストトドロクツキに抜かれて厳しい展開が多かったので少し早めに。特に悪ウーラオスに強くしたく、ついでに火力アップも見込めるフェアリーテラス。 ブリウーラ等が単体高火力を見込めるので、その範囲に入れやすい全体技の方が適していると感じてメイン攻撃はマジシャ。挑発はバレル等に打つほか、守るを封じて後発のランド等を通しやすくする等詰めに活きるので便利。
霊獣ランドロス
196-210-110-x-100-118
意地っ張り 252-204-0-0-0-52
ライコを倒し切ること等を考えると火力を切れず、半端に振ったところで抜ける相手は少ないのでSブーストホムラを追い風下で抜けるラインだけ確保してHAベースとした。パオやガチグマ、雪パを意識して行動保障が持てる鋼テラス。 技はこの4つを切ってでも入れたい技は無し。
ドータクン
174-109-179-x-142-34
呑気 252-0-212-0-44-0
悪ウーラに対して1発動けるかどうかで天地の差があるので暗黒強打確定耐えのHBベース。ここまで振ることでボディプで悪ウーラを2発で落とせる。ボディプでは時間かかるので素で詰め切れない水ウーラオスや、選出対象のガチグマトリルで組まれがちなコータスへの耐性を考えて水テラス。 ドータクンを出した時にまともな単体性能を持つには鉄壁ボディプしか無いと感じたので、カミを倒すためのジャイロや切り返し用のトリルと合わせて技も4枠確定。
選出
●基本選出
トルネブリ ウーラ@1
追い風ビームで1体落としつつ、雨ごいビーム連打
→どちらかが落とされたらウーラが〆る展開 を目指す
@1枠はS操作面で不安があればカミ、物理に偏っていて詰められそうならドータ、その他はランドを出すことが多い
出せるときは大体有利
●追い風ミラー
トルネブリ ウーラカミ
S操作に負けないようにトルネ+初手の高圧ポケモン相手に頑丈で耐えつつトルネをビームで落としに行けるブリ
初手対面を制すれば後発のカミ+ウーラで上を取りながら殴り勝てることが多い
襷以外のトルネにはとても有利、襷トルネやエルフには択の噛み合い次第で相性五分
●ライコ入りスタン
カミブリorウーラ ランドトルネorドータ
最終的にランドを通すことを狙いつつ、ライコに隙を見せないような先発S操作役としてカミ
カミの横のアタッカーとして、後発にテラス不要と判断すれば草テラス切る前提でウーラ、テラス温存の必要あればテラス無しで撃ち合い可能なブリ
後発はランドと並べて追い風とトリルどちらが通りやすいかで判断するが、先発ブリなら後発トルネ、先発ウーラなら後発ドータになりがち
ライコの横を倒して最後にランドを対峙させたいので、その障壁になりそうなパオウーラあたりを優先して落とすよう立ち回る
相性五分、上手く立ち回った方が勝つ
●トリル(イエエルレ系)
トルネランド ドータブリorウーラ
初手でワイガ持ちが出てこなければ木枯らし地震でイエッサン落としてfin、ワイガ持ちが出たらトンボから入る
トリルされることがあればドータでトリル返すor鉄壁積んで対応
相性有利
●スイッチトリル(ガチキリン系、ガチクレセ系)
トルネランド ドータウーラorブリ
トリルにはドータ投げor味方怖い顔でランドの圧力かけ続けるで対応するので、カミウーラ等の上から殴るポケモンに追い風地震で対抗する
ガチグマに対してドータクンが打点貰わないため強いが、クレセに打点持てないのが苦しい
ガチキリンには有利だが、クレセに対して不利
●ディンラッシャ
トルネランド ドータウーラ
初手ディンラッシャに対しては木枯らし地震で圧力をかけ、物理で固まりがちな後発にドータで対応する
初手ホムラカイリュー等が来るならホムラに怖い顔から入りつつ雪崩 相性有利
●寿司
カミブリトルネウーラ?
先発ツキフロルを想定して強めの2体で対応し、トルネウーラで寿司をゴリ押すプラン
当初はトルネランドで圧力かけて合体させた後にブリウーラで押すプランを取っていたが、ツキが重いため上記プランを想定して最後のてるチャレ時は別の選出を用意した(当たっていないが…)
検討不十分だが不利めの想定
●雨(ペリブリ)
トルネブリカミウーラ
木枯らしビームを撃ちまくって荒らす
ブリはその過程で削っておき、最終的には草テラウーラが倒すプラン
相性有利
●雪(キュウコンフリーザーライコ)
カミブリ トルネランド
最終的にライコはランドで倒すことを念頭に置きつつ、雪にも高打点持てるブリを先発に置く
トルネを見てキュウコンは後発に控えがちなので、ライコと対面させたいカミで基本的にS操作
吹雪を回数通されるときついので、的確にフリーザーをしばきたい
相性不利
本戦に向けて(おまけ)
てるチャレまでで使い収めた理由として、この構築は以下の懸念があった。
(それでも公開後の第3回予選ではこの構築で多数の抜け報告があり嬉しかったが)
・トルネブリウーラ(というかトルネ軸プラン)自体は環境トップのライコに不利取りがちな時点であまり刺さっていない。ライコ相手はカミやランドを中心としたサブプランでプレイング勝負に持ち込めているが、正直ある程度中身が割れた上での決め打ち含めると不利めになってしまう。
・猫騙し含む先制技への抑止力はあまり無い。猫騙しターンに相手以上にアドを稼ぐ手段が多いのでなんとかなっていたが、上述のように軸に据えたプランが刺さらなくなってくると気になってくるかも。
・その他、環境に増えてきたガチクレセや雪、寿司など不利な相手も増えてきた。
そこで次の構築を模索すべく触ったことの無いタイプの構築を学ぼうと、yura (@yurayura_pon)さんがランクマッチで使用して上位に居続けていたホムラカイリュー構築をお借りして第3回予選に潜ることに。ぶっつけで試合の中で学ぶ形でもしっかりと強さを実感できた。その後も様々な構築を触りつつ自分で組もうとするもしっくり来る構築が出来ず。本番1週間前、もう時間が残されていない中で最終的にはyuraさんの構築をベースに調整させてもらうことに。
本戦で使った構築
上記のご本人の記事の通りウーラの枠は明確に役割が決まっているわけでは無いということで、ウーラ⇒トルネに変更。vs追い風に苦手意識があった中で、こちらも追い風で張り合うプランを取れれば後発ホムラカイリューで有利を取れると感じ変更した。
結果としては20戦消化で1497と惨敗。
環境も向かい風だったと感じるものの使用構築自体に後悔は無し。
むしろ事前にもっとプランが練れていれば…と思う試合もあったので、後悔があるとすればもっと早くからこの構築と心中させてもらって練度を高めたかったところ。
yuraさんには苦しいところを救ってもらって感謝してもしきれません。
参考
テル(@terupoke9)さんが動画でこの構築を紹介して頂きました。
構築の強みが分かりやすく解説されているので、こちらを見た方が強みをイメージしやすいかもしれません。
【新ジャンル構築登場】今までに無い構築すぎて爆増!対策必須構築に浮上したトルネロスブリジュラスドータクン構築を解説!!!|ダブルバトル【ポケモンSV】 - YouTube
最後に
レギュFでは久しぶりに納得いく強さの構築を作ることが出来、第2回・第3回予選ではこの構築で予選抜けを果たした報告をいろんな人から聞くことが出来ました。僕は「他人の構築で自分が勝つこと」よりも「自分の構築で他人が勝つこと」の方が嬉しい(もちろん自分の構築で自分で勝つのが1番ですが…)タイプなので、「ベテパ」と呼んでもらえる構築が作れたことが本当に嬉しかったです。
とはいえ、チョッキウーラや鉢巻ランドというこの構築で最も強みと言える部分は一緒に考察したほまれ(@Nadeshiko_2024)さんの案なので、むしろ「ほまれパ」と呼びたいぐらいですね。いろんな案をくれて日々楽しい考察が出来たので本当に一緒に組んでよかったです。本当にありがとう!
残念ながらハワイでのWCSに行く目標は叶いませんでしたが、今年の取り組みは間違っていなかったと思うので気持ちに区切りをつけて、これからはWCS選手の皆さんを応援していきたいと思います。